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元祖風チキンティッカ・マサラ レシピ

総合評価:★★★(゚∀゚)ウマー

元祖チキンティッカ・マサラ

イギリス料理(?)、チキンティッカマサラの元祖風です。甘くないバターチキンですね。

チキンティッカマサラの起源は1970年代とかなり歴史が浅く、イギリスのグラスゴーにあるインド料理屋で発案されたそうです。無知な客(イギリス人?)がチキンティッカに対して「料理がパサついている」と文句を言って突き返したものを、バングラデシュ人の料理人が即興で、キャンベルのトマトスープ缶とクリームとスパイスを絡めて出したものが定着したのだとかなんとか。幾つかレシピを捜索しましたが、今ではキャンベルのトマトスープ缶は使わないのが主流のようですね。

という事で、「チキンティッカにキャンベルのトマトスープ缶とクリームとスパイスを絡めて出したもの」という言葉のみを手掛かりとし、山勘で仕上げてみました。先週 添加物(香料)について否定的な見解を言った矢先に、既成の缶詰を使っちゃってるあたりが我ながらちょっとアレですがw

味的には、かなり旨いです。チキンティッカのジューシーさが増しますね。バターチキンは「辛いチキンと甘いグレービー」の対比を楽しむものだと勝手に思っていますが、このチキンティッカマサラは「同じベクトルを向いたチキンとグレービー」を楽しむ感じでしょうか。先日、適当に入ったインド料理店でインド人(?)が「タンドリーチキンマサラは辛い方が美味しい」みたいな事を言っていたのでちょっと辛目に仕上げています。またバターチキンと風味を変えたかった為、バターやカスリメティや甘味は入れていません。

前に適当に作ったインド風チキンティッカマサラよりも美味しいですね。。。なんでだろう。
ちょっと既製品特有の匂いがしますが、そこに目を瞑れば上々。(←先週と言っている事が違う)

チキンティッカは今ではイギリスの国民的料理(national dish)とも言われているらしく、2001年にイギリスのロビン・クック外相が「Chicken Tikka Massala is now a true British national dish」とスピーチしたそうです。ちなみにこのスピーチは料理評論家から非難を受けたそうですが。

確かに、
・ほんの30~40年前に
・インド料理屋のバングラデシュ人の料理人が
・無知な客(イギリス人?)の為に
・インド料理であるチキンティッカを
・アメリカの会社であるキャンベルのトマトスープに入れてみた
・しかもバターチキンとかなり似ていて、バターチキンの方が歴史が古い
ものを「これが我がイギリスの国民的料理だ!」と言うのは、文句を言いたくなる気持ちも分からないでも無いですがw (イギリス人は文句言っただけだしw)
でも「歴史が浅いが国民に浸透している」という意味では、日本で言うとラーメンとかカレーとか洋食とか、そんな位置付けでしょうかね。私もハンバーグとかナポリタン好きです。

チキンティッカマサラの起源の話はen.wikipedia.orgか、書籍「インドカレー伝」をご参照。

「インド人はタンドール料理をグレービーにぶち込んだりしないから、チキンティッカマサラは立派なイギリスオリジナルの料理だ!」という話もどこかで見た様な記憶がありますが(どこだったかな・・・)、それを言ったら、かなりレシピが似ているバターチキンはどうなんでしょうね。

バターチキンについては、1950年代にデリーのMoti Mahalというレストランで発案されたそうです。バターチキンの起源の話はwww.spicelines.comをご参照。チキンティッカマサラとバターチキンを混同している人(ハムスター速報)も多いようですね。

一応、起源からしてチキンティッカマサラとバターチキンは別物という事になっていますが、起源説のどちらかが嘘をついているんじゃないかなぁ~、と思わなくもないです。

・・・作りながら、インド料理店で「トマトベースの適当なグレービー」を使わずに「キャンベルのトマトスープ缶」を使うのは考え難いなぁとか、既成のトマトスープ缶を使いながらカレーとしてのバランスを取るのってかえって微調整が面倒だなぁとか、そもそもキャンベルはハラールなのか?とか、ちょっと思っちゃったりしました。

【チキンティッカ】
(材料)
鶏肉(もも肉) 500g
ヨーグルト 100g
レモン汁 大さじ1
おろし生姜 大さじ1
おろし大蒜 大さじ1
塩 小さじ1

(パウダースパイス)
コリアンダー 大さじ1
クミン 小さじ1
レッドペッパー 小さじ1
ターメリック 小さじ1/2
シナモンスティック 2cm分
クローブ 4個分
カルダモン 2個分(中の種のみ)

(作り方)
鶏肉以外の材料を全部混ぜる。
鶏肉の皮を外して食べ易い大きさにカットしてから一晩漬け込む。

オーブンを最高温度で10分程から焼きし、オーブンに入れて7~8分、焼く。(ウチのガスオーブン300度設定の場合)
焼く際には、天板の上に百均で購入したグリル用の網を乗せ、肉が天板から浮いている状態で焼く事。これ本当に重要。やまけんさん方式で水を入れていないグリルで焼く(やまけんの出張食い倒れ日記)というのもやった事はあるのですが、防災的にちょっと怖いので、高温オーブン+グリル網が推奨です。

今回は、色付け用の食紅とパプリカは使っていません。

【マサラ】
(材料)
キャンベルのトマトスープ缶 1缶
水 150cc
生クリーム 50cc+適量
サラダ油 大さじ2
おろしニンニク 2片分
おろし生姜 親指大分
コリアンダーリーフのみじん切り 適量(多めが吉)

(スタータースパイス;ホール)
シナモンスティック 1本
クローブ 5個
カルダモン 5個

(パウダースパイス)
クミン 小さじ1
コリアンダー 大さじ1
ターメリック 小さじ1/2
レッドペッパー 小さじ1 1/2
シナモンスティック 2cm分
クローブ 2個分
カルダモン 2個分(中の種のみ)

【作り方】
鍋にサラダ油とスタータースパイスを入れ加熱し、クローブ・カルダモンがプックリしてきたら、
キャンベルのトマトスープ缶と水とパウダースパイスとおろしニンニクとおろし生姜を入れ、沸騰してから10分ほど煮込んで、スパイスをグレービーに馴染ませる(先ほど入れた水が飛ぶ程度に軽く煮詰める)。
※トマトスープ缶自体にそこそこ粘度がある為、スパイスがダマになりやすいので注意。

生クリーム50ccを入れ、チキンティッカを入れ、コリアンダーリーフを入れ、盛り付けてから生クリーム少々を垂らして、完成。

【おまけ】
焼きたてのチキンティッカ
焼きたてのチキンティッカ。ウチのオーブンは、手前側(写真で言うと左側)の温度が高いため、若干の焼きムラが出来る。受かって右側の温度が低かった部分は、焼くスピードが間に合わなくて若干肉汁が出てしまっているのが写真でも分かる。
お店で食べるとパサパサしているものですが、自家製の焼きたてはパサつきが皆無。いつ作っても鉄板の旨さ。食べると肉汁が「ジュワッ」とします。

食べないけど盛り付け
盛り付けたチキンティッカ。これを、さらした赤玉ねぎのスライス・コリアンダーリーフと共に食べれば、これだけでも確実に旨い。

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インド・タイ・ネパール・スリランカあたりを軸に、東南アジア料理・南アジア料理・西アジア料理・スパイス料理・カレーを作ったりします。

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